抗がん剤AC療法の副作用 ①吐き気•味覚
絶対に吐かせない布陣
抗がん剤AC療法の副作用として真っ先に挙げられるのが「吐き気」「嘔吐」だ。
抗がん剤治療全般としても、消化器系の粘膜は細胞分裂が盛んなため、最も刺激を受けやすいと言われている。口は口内炎や味覚障害、胃は消化不良や吐き気などの副作用が出るのはそのためだ。
だからACを点滴する前には、強力な吐き気止めの経口薬「アプレピタントカプセル」を飲んでから、吐き気止めの点滴「アロキシ点滴」を行うという、念の入れようになっている。
AC点滴後も3~5日間は、嘔吐中枢を阻害する吐き気止め経口薬「カイトリル錠」と、消化を促進して嘔吐を防ぐ「プリンペラン錠」、胃の粘膜を保護する「セルベックスカプセル」を飲むという「絶対に吐かせない布陣」が組まれている。
薬で脳からの指令を止め、胃を働かせて粘膜を保護するのだから、もう最強である。
全く吐き気がない
その甲斐あって、私はほぼ吐き気を感じることはなかった。
一時的にムカムカした感じがすることは数回あったが、吐き気と言うほどの不快感は全くなかった。ムカムカするのは空腹時だったので、そういう時は少しお菓子や果物などを食べて、気を紛らわせた。
「抗がん剤=嘔吐で弱る」というイメージがあったので、私は拍子抜けしたが、これは普段から薬を飲んでいなかったから、特に吐き気止め薬が効いたのかもしれない。
看護師から「食べられない時にはプリンとかヨーグルトとか、口当たりの良いものを、何でも食べれるものを食べて下さい」と言われていたが、私は普段通りの食事が難なく食べられた。
副作用には個人差があるというのは、それまでの薬の摂取習慣や食習慣、胃や腸の状態などで大きく左右されるからなのかと、1人で納得した。
ケミカルな味覚障害
そのかわり少しの間、味覚障害はあった。
甘みが少しケミカルな味に変わってしまい、ケーキや黒豆のような甘味を食べても、あと口が悪くて、あまり美味しく感じられない期間があった。パイナップルジュースも美味しくなかった。
この頃はまだ糖質制限していなかったので、しっかり甘いものを食べていた。
それ以外の食については、味覚障害を感じることはなかったので、生活上、大きな問題にはならなかった。