乳がん19年目でわかったこと

乳がん19年目。初発は完治、その後再発、再再発し、現在トリプルネガティブステージ4。がんになってわかったことをブログにまとめたら、誰かの役に立てるかもしれないという想いで書いています。

抗がん剤AC療法の副作用 ⑤ 静脈炎•皮膚障害

静脈炎と血管痛


初めてAC療法を行なって、真っ先に出た症状が静脈炎だった。


抗がん剤は末梢静脈と呼ばれる腕の静脈に、細いチューブ(カテーテル)を刺して、薬を点滴する。


手術をした方の腕の血管はもう使えないので、点滴できる腕は片方だけしかない。しかも血管がしっかり見えていて、ルートが取りやすそうな静脈は1本だった。だから医師はそこに針を刺し、AC療法1クール目の点滴がスタートした。


“赤い悪魔”という異名があるアドリアマイシン(ドキソルビシン塩酸塩) が投与されると、ガンのある部位にズキズキとした痛みを感じた。

次にシクロフォスファミド(エンドキサン)が投与されると、指先がピリピリし、むくむような感じがした。


そして点滴から7日後、血管が変色している事に気がついた。腕内側の静脈は青く見えるが、点滴を刺した箇所から10cmくらいが茶色いのだ。その後その変色部位は固くなっていき、腕を広げたり捻ったり、動かす度にひきつれのような血管痛が続いた。


同じ血管は使えなくなった


AC療法2クール目。血管の状態を見た医師は、この血管はもう使えないと言った。今後はホットタオルを腕に当てて、血管を拡張させてから点滴を行うことになった。


温めてから腕を叩いて血管を探す。より細くて見えにくい静脈に針を刺すのは、結構技術が必要そうだ。


静脈炎はどれくらいで回復するのか、看護師に聞いてみたが、個人差があると明確な回答はなかった。


血管の内側にかさぶたができているようなものなので、かさぶたで血管が細くなってしまっているから、もう使えないのだと言う。


点滴は手術した方の腕は使えず、はっきり見える静脈も静脈炎で使えないなら、あとは微かに見える細い静脈1本だけだということ。

まだ2クール目だから、今後6回は同じ血管を使わなくてはいけないということなのか。


[ 頑張れ血管!]自分の身体にエールを送った。

 


皮膚はプラスのことも


皮膚障害とは、手足症候群とも呼ばれる手足の皮膚がガザガザになったり、ひび割れたり、爪が薄くなったり、変色したり、壊死したり、様々な症状が出るらしい。


私の場合は、まず最初に嬉しい変化があった。投与1クール目の2日目に、突然乾癬が治ったのだ。


原因不明の乾癬は、もう6年くらいの付き合いで、副腎皮質ホルモンを塗ると治まるが、すぐにぶり返してなかなか完治しない状態が続いていた。それが、何事もなかったかのようなきれいな皮膚になってしまったから驚いた。


最終的に抗がん剤治療を終えた今でも再発していないので、6年引きずっていた乾癬とはきっぱりと縁が切れた。

 

手足症候群でガサガサに

 

投与1クール目の8日目に突然手足がざわざわして、急に敏感になった。手の甲がガサガサにけばだった感じになり、足裏もガサガサしてきた。日を追うごとに甲は割れたようになり、手のひらや足裏は油分が無くなって急激にシワシワになった。


いつもここまでひどく乾燥したことがない部位だったので、かなり違和感があった。入浴するだけでしみる感じだったので、ユースキンや馬油を塗ってしのいだ。


足の爪は壊死して剥がれた


同じく1クール8日目に、足の爪に痛みを感じた。特に親指の爪母が痛みが強かった。2クール目14日目になって、足の左右3本ずつ、親指、人差し指、中指の爪が真っ赤になった。20日目には赤くなった爪が浮き上がってくるような痛みを感じた。このタイミングで足の爪6本だけ伸びてないことに気がついた。


その後6本は黒く変色し、何もせず、自然に任せていたが、最初の投与から6ヶ月半後に順に浮き上がって剥がれた。きちんと下には新しい爪が生えてきているので、時間はかかるが素通りになれると思う。