抗がん剤AC療法の副作用 ⑥脱毛
ナーバスになった脱毛
抗がん剤治療で1番辛い副作用は脱毛だと思う。
出家以外に女性が坊主頭になることはなかなかないから、メンタル的にかなりの勇気が必要だ。今はおしゃれなウィッグもたくさんあるので、ファッションのように楽しめれば良いが、日増しに頭髪が抜けていく時期には、やっぱりナーバスになるし、誰にも会いたくない気分になる。
私の場合、どのように脱毛したかをまとめてみる。まずは抗がん剤を始める前に、ショートカットにして準備し、AC療法1クール目スタートからの変化は以下のようだった。
脱毛の記録
8日目・・・頭皮の毛穴が全て開いたような違和感を感じた。
9日目・・・頭皮の毛穴が開ききって、頭皮の臭いが気になった。
14日目・・・軽く毛髪を引っ張ってみたら、引っかかる感じもなく、スルッと抜けて驚いた。毛根を見ると、黒く丸く小さくかった。健康な毛髪を引っ張って抜くと、毛根はふっくらしているので、不自然に弱った毛根だと思った。
シャンプーしてタオルドライすると、パラパラと抜けた。試しに下の方の毛を引っ張ってみたら、こちらもスルリと抜けた。
この辺りから、抜け毛対策で、家ではタオルキャップや不織布のキャップを被るようにした。
16日目・・・大量に毛髪が抜けて、全体の70%くらい抜けた感じだった。
この辺りから、外出時には帽子が必須になった。頭皮の毛穴がザワザワして、頭皮を触ると痛いような感じで、頭皮が敏感になった。
22日目・・・主な頭髪はほぼ抜け落ち、短いふわふわした産毛の新生毛だけが残った。相変わらず頭皮はピリピリ敏感だった。
3ヶ月半頃・・・眉毛とまつ毛がかなり減ってきたが、まだ化粧をするとごまかせるレベルだった。
4ヶ月頃・・・ムダ毛、鼻毛が無くなって、肌はツルツルすべすべになった。
汗が目に入ったり、ゴミも入りやすくなった。鼻水はすぐにティッシュで押さえないと、たらりと流れ出てしまう。まつ毛も鼻毛も無くなると地味に困った。
5ヶ月半頃・・・眉毛、まつ毛が全く無くなった。
ちょうど抗がん剤最終回投与。4クール×2がこのタイミングで終わった。
再生の記録
抗がん剤を終えると、1ヶ月で毛の再生が始まった。
1ヶ月頃・・・ツルツルすべすべだった肌に、ムダ毛と鼻毛が生え出した。
1ヶ月半頃・・・眉や頭が青々と見え始め、一斉に毛が生えてきた。
2ヶ月頃・・・眉毛、まつ毛がしっかり生え揃った。
4ヶ月半頃・・・ベリーショートだが、帽子なしでもかろうじて出かけられるレベルになった。
脱毛の時期を終えて
脱毛の時期を振り返って思うことは、見た目が変わってしまうと、なかなか明るい気持ちに持っていくことが難しかったということだ。
それでも気持ちを奮い立たせて、少しでもおしゃれして出かけたり、誰かと会ったりすることは大切だったと思う。
体調の浮き沈みも激しかったので、体調の良い時期に限定されるが、天気が良ければ外に出て太陽の光を浴びて、近所をウォーキングしたり、自然に触れることも大切だった。
コロナ禍ということもあって、人混みに出かけることはほぼなく、ウィッグを使うことは殆どなかった。代わりにコットンニットの帽子とスカーフのケア帽子の出番が多かった。
この時期の化粧や帽子などのおしゃれに関しては、また改めてまとめたいと思っている。