乳がん19年目でわかったこと

乳がん19年目。初発は完治、その後再発、再再発し、現在トリプルネガティブステージ4。がんになってわかったことをブログにまとめたら、誰かの役に立てるかもしれないという想いで書いています。

抗がん剤治療の流れ

抗がん剤治療の流れ
 

病院によって異なると思うが、AC療法の抗がん剤はこのような流れで行うということを、参考までにまとめてみる。薬剤は製品名(一般名)で記載する。

 

1.血液検査・診察(体調確認)・体温・血圧・体重測定 約60分

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2.化学療法室で点滴スタート

 ①アロキシ点滴(パロノセトロン塩酸塩)50ml+生理食塩水 30分

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 ②デキサート注射液(デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液) 3.3mg 30分

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3.抗がん剤【AC療法】点滴スタート

 ①【A】アドリアマイシン(ドキソルビシン塩酸塩) ※赤いインパクトのある薬剤  50ml 10分

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 ②【C】シクロホスファミド(エンドキサン)500ml 60分

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 ③生理食塩水 5分 

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 4.終了・退室

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アロキシ点滴(パロノセトロン塩酸塩)

=5-HT3受容体拮抗薬

抗がん薬による嘔吐中枢への刺激を阻害し、悪心(吐き気)・嘔吐を抑える薬

 

デキサート注射液(デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液)

=副腎皮質ホルモン(ステロイド

抗炎症作用、免疫抑制作用などにより、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、血液疾患など多くの疾患・病態の治療に用いられる薬

 

アドリアマイシン(ドキソルビシン塩酸塩)

= 抗がん性抗生物質

細胞の増殖に必要なDNAやRNAの合成を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす赤色の薬。

 

シクロホスファミド(エンドキサン)

= アルキル化剤

細胞増殖に必要なDNAに作用し、DNA複製阻害作用やDNAの破壊作用により抗がん作用をあらわす薬

☆日経メディカルより引用

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化学療法室での過ごしかた
 

ここまで化学療法室でおよそ2時間半、スムーズにいけばトータルで3時間半くらい。↓↓↓の1と2の間は余裕があるが、↓は点滴を取り替えるだけなので、あっという間だ。

 

この間にはトイレに行ったり、水分を補給したり自由だが、【AC】を点滴している時だけは、トイレに行くことは避けた。この【AC療法】は劇薬並の扱いになるので、看護師も慎重に扱っていたし、万が一、動いて引っ掛けたりして注射針から薬剤が漏れ出たら、大惨事になってしまうからだ。

 

しかも私はクーリングを行っていたので、【AC】の点滴だけは全集中していた。

 

それ以外は基本的に自由。

 

私がお世話になっている病院では、化学療法室にはフルフラットになるリクライニングシートが並び、それぞれカーテンで仕切られた空間になっていた。

お昼時には軽食など持参して摂ることも問題ない。スマホを見たり、イヤフォンで音楽を聞いたり、本を読んだりしながら、それぞれがゆったりと過ごすようになっている。

 

クーリングの方法
 

自主的クーリングは、保冷袋にアイスノンと保冷剤を入れて持参して行っていた。

2の点滴は全身に行き渡らせる必要がある薬剤なので、ここではクーリングはNG。3の抗がん剤のタイミングでクーリングを行った。

 

アイスノンは眉毛用として、頭に巻きやすいようバンダナで包み、保冷剤は手足の爪用として、ふわふわで締め付けない靴下の中に入れて4セット準備した。手はキッチンのミトンでもよかった。

 

看護師には予めクーリングすることを伝えてあるので、装着のタイミングを教えていただいた。2の②で準備を始めて、3の点滴に付け替えるタイミングで、アイスノンを頭に巻き、靴下を足と手にはめるようにした。

 

装着しての約70分間は、手は使えないのでじっと休んでいた。頭のアイスノンはまだ心地よいが、手足の保冷剤は、さすがに指先が冷えて、次第に感覚がなくなってくる。とてもではないが、眠れるような状態ではない。只々耐えて、これが効くのかどうなのか、やってみなければわからないと、自分に言い聞かせていた。

 

結果として、最終的に眉毛は抜けた。それでも毛髪よりは長く持った。足の爪は、6本が黒く壊死して剥がれた。手の爪は・・・全く影響を受けなかった!これは何より嬉しかった。

 

薬剤師と看護師からのアドバイス
 

私は当時、初めての抗がん剤治療にとても怯えていた。日頃から薬を飲まないようにしていたので、抗がん剤は普通の人以上に"効く"と感じていたのだ。副作用の表れ方には個人差があるから、どんな症状が出るのか不安しかなかった。

 

薬剤師からは「抗がん剤治療期間はとにかく水を大量に飲んで」とアドバイスを頂いた。薬を代謝する為には、大量に水が必要だという。なるほど「お酒と一緒だ」と思った。お酒を代謝するには、飲んだお酒の倍量の水が必要と言う。代謝のためにはお茶ではダメで、水でなければいけないのだ。

 

看護師からは「抗がん剤治療で現れた身体の変化などは細かく記録しておくと良い」と教えて頂いた。だから私は最初の抗がん剤スタート時にミニノートを用意し、「治療の記録」を書き始めた。

 

「治療の記録」には毎日、体重、体温、食事内容、尿や便の状態、睡眠、入浴、現れた症状などを記録して、体調の変化や周期などを把握するようにした。

 

これは治療を終えた今でも続けており、このブログを書くのにも役立っている。