乳がん19年目でわかったこと

乳がん19年目。初発は完治、その後再発、再再発し、現在トリプルネガティブステージ4。がんになってわかったことをブログにまとめたら、誰かの役に立てるかもしれないという想いで書いています。

気功と太極拳

気功とは


気功は、体内に「気」を循環させ、「気」の質やコントロールする能力を高める「内気功」と、身体に必要な良い気を入れ、悪い気を排出させ、「気」の交換によって患部等を癒やす「外気功」とに大別される。

 

「気功法」と呼ばれるものの種類は多く、現在中国でも2000を越える流派があると言われており、体操のように身体を動かす「動功」と、座禅やヨガのようにあまり激しく動かない「静功」に分けられる。

 

これらをそれぞれ行う場合や、組み合わせて行う場合など、流派によっても異なるので、一言で気功と言っても、ずいぶん幅の広いものになる。呼吸法と言われるものや、太極拳も気功法の一種だし、手のひらをかざすだけで病を治したり、気で人を吹き飛ばしてしまうようなものまである。

 

だから「気功」と聞くと、いったいどの気功や気功法を指しているのかがわかりにくい。

しかも「気」は目に見えるものではないので、体感して理解するしか方法がないのだ。

 

初めての太極拳


私が初めて「気」を体感したのは、太極拳を習った時だった。

 

太極拳も流派がたくさんあるので、ここではあくまでも初心者が見聞きして知った、一般論レベルとして触れさせてほしい。


太極拳で最初に教えていただいたのが基本となる呼吸法だ。


自分自身の身体を、まるで大木になったかのような気持ちになって、ゆったりと大地に立ち、足の裏から大地のエネルギーを吸い上げるように呼吸をする。便宜上、どうしても道場など屋内で習うことになるが、出来れば屋外で行うのが良いとされる。


呼吸は吐くのが基本で、深く吐くことで、吸うことは意識せずとも入ってくる。
だがら「吸って吐いて」ではなく「吐いて吸って」となる。


自分の中心をへその下にある「丹田(たんでん)」に置き、肺で呼吸するのではなく、腹で呼吸する。つまり腹式呼吸で、ゆっくりと呼吸をすることだけに意識を向ける。ここがとても大切なポイントとなる。


その呼吸を保ったままで、次第にゆっくりとした動きに移っていくのだが、この動きは文字だけでは表現できないので、ここでは割愛するが、全くと言っていいほど筋肉に無駄な力を入れない。動いていても力まずに、脱力しているかのように動くのだ。続けていくと内臓がじんわりと温かくなっていく。そして、激しい動きがないのに、じわっとした汗が額ににじむ。


一般的な体操などは、筋肉を使って動くので、体表の熱が上がって汗をかくイメージ。
太極拳では表面的な筋肉は使わず、体内の内臓全体に気を巡らせていくので内側から温まるイメージ。


この頃の私は、「隠れ冷え性」と呼ばれる体質で、「暑がりだけどいつも内臓が冷えているタイプ」だったので、太極拳によって、内臓に気が巡って内側から温まるという感じが、体感しやすかったのかもしれない。


帯津良一氏と太極拳


「ホリスティック養生訓」などの著書で知られる帯津良一氏は、西洋医学のがん専門医という立場から、東洋医学を学ばれて気功の重要性に気づかれ、その後開業医となり、一般診察を行うほかにも、患者に太極拳の指導も行っているという、類い稀な先生だ。

 

帯津氏の著書は、Amazonで検索すると300冊近い本がヒットする。


私が帯津氏の本を読んだのはまだ数冊レベルなので、まだこれからも読み続けたいと思っているのだが、何というか、先生の本からは良い気が流れてくるように感じる。読んでいるうちに、前向きな希望が感じられ、励まされて元気になってくるのだ。


20年以上前に書かれた著書「気功的人間になりませんか―ガン専門医が見た理想的なライフスタイル」では、「病気を克服する家」という喩えが書かれている。土台となるのが心の在り方で、1階部分は天の気を取り入れる気功と地の気を取り入れる食事、2階は西洋医学東洋医学という具体的な治療になるのだそうだ。


病気になると、まず西洋医学に頼って具体的な治療について考えがちだが、最も大切な心の在り方や、気功、食事を疎かにしてはいけないと、気づかされる良書だと思う。