乳がん19年目でわかったこと

乳がん19年目。初発は完治、その後再発、再再発し、現在トリプルネガティブステージ4。がんになってわかったことをブログにまとめたら、誰かの役に立てるかもしれないという想いで書いています。

セルフチェックで見つけた乳がん

最初の乳がんはセルフチェックで見つけた

 

乳がんになる女性は年々増加している。

 

2020年に乳がんと診断される女性は9万人以上と言われており、女性が罹患するがんの中では最も多い。

 

乳がんが増えていると聞くと、「自分も乳がんになる可能性がある」と考える。早期発見、早期治療が大切という呼びかけもあるので、皆不安になって,定期的に乳がん検診を受けるようになっている。


私が初発の乳がんを発見したのは、セルフチェックによるものだ。

 

胸の谷間ができるあたりの深部に、なんとなく「おでき」のようなしこりがあるように感じた。最初は「乳腺が腫れている?」と思ったが、そのしこりがもし、少しでも大きくなるようであれば、病院で診察を受けようと思って様子を見ていた。

 

痛みとか、何か感じる違和感や症状は一切ない。

 

そして案の定、しこりは次第に大きくなっていった。

意を決して「女性医師が在籍&土曜日に営業している乳腺専門クリニック」で検索し、診察の予約を入れ、細胞診を経て「乳がん」と診断されたのである。

 

がんという病気の本質

 

初めて乳がんと診断された当時、まだ私の身近な知り合いの中に、乳がんの人はいなかった。

そもそも「がん」とはどんな病気なのか?基本的な知識も乏しく、乳がんとは乳房を取り除く手術が必須だと思っていた。

 

だから女性としてのアイデンティティを失う気がして、相当なショックを受けたし、困惑もした。私は当時まだ若かったし、乳房を失うことに強い抵抗を感じて涙した。

 

がんという病気の本質は、かなりざっくりとした理解ではあるが「水槽内にできた藻のようなもの」と考えるとわかりやすい。言うまでもなく「水槽」とは私たちの身体そのものだ。

 

がんがどこにできたかで病名は「〇〇がん」と細かく分類されるが、水槽内にできた藻は掃除して取り除いても、また生まれる。しかも藻のもとは自由に浮遊して、最初と違う場所に発生することもある。

 

女性特有のがん

 

女性特有の乳がんや子宮がんは、大きな水槽の中に更に小さな閉じられた水槽があって、その中だけにできるがんと言える。

 

早期発見による手術は、女性としてのアイデンティティは失うかもしれないが、命として考えると、身体本体である大きな水槽へのダメージは少ないがんとも言える。


但し、それでも再発、再再発と進んでいくと、リンパ節や骨への転移や、胸の周辺臓器である肺への転移も珍しくはない。リンパ節や骨への転移が進むと、手術は望めない状態になり、治療方法は放射線抗がん剤といった化学療法だけになる。これが今の私の状態だ。